私はこうして独学で合格した、国家公務員総合職

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キャリア官僚。国家総合職(旧国家一種)試験に合格し、省庁の幹部候補生としてキャリアを積んでいく所謂エリート官僚。

今年もそろそろ総合職の試験が終わる頃。この試験は実施する期間が長期に渡るため、周りの人が就職決まっているにも関わらず、自分だけ決まってないという例年通りの事象が起こる。

私も国家総合職試験(院卒)を受験し、試験には合格したが官庁訪問で不採用となった。官僚として働くことができなくとも、私が過去に実施した対策や本試験での様子を記述することで、志ある受験者の情報収集に役立つのではと思い、本記事を記載するに至る。基本的には専門試験以外については院卒の全区分の受験者が対象となる内容である。専門試験については、私が受験した工学区分(情報系選択)に焦点を当てて記載した。

以下、目次をご覧になり、必要な箇所のみご覧いただければと思う。

私の総合職試験受験と結果

私は教育政策に最も関心があったため、一念発起して独学で勉強して総合職を受験することにした。工学区分を受験し、運もあって試験に合格することができた(順位的には工学区分で上から1/3程だったと思う)。ご存知の方も多いと思うが、試験に合格したら採用になるのではない。試験の後、「官庁訪問」を行い、そこで面接を受けて採用される必要がある。私の場合、ハナから教育政策しか興味はなかったので、文部科学省のみ官庁訪問した。しかし、採用には至らなかった。 ※なお、私が受験したのは4年程前になると思うが、試験内容はそんなに頻繁に変わるものでないと推測される。そのため、本記事を参考にしていただいても問題ないと思っている。

ではこれ以降、主題である私の試験対策方法、本番試験の様子などについて記載する。

試験概要

まずは試験の流れについて記載する。 第一次試験では以下の二つの試験を受ける。
  • ①基礎能力試験(教養試験)
  • ②専門試験(マークシート)

第一次試験を合格した者が第二次試験に進み、以下の試験を受ける。

  • ③専門試験(記述)
  • ④政策課題討議
  • ⑤人物試験

上記5つの試験がある。そのため、以降これら5つの試験について記載する。参考までに平成29年度の受験案内より各試験の配点などの情報を人事院webページの資料から抜粋する。

出典:人事院webページ

各試験の対策

各試験に対する私の対策を以下に記述する。

①基礎能力試験

基礎能力試験(教養試験)は文系とも共通なので、過去問が市販されている。「国家総合職教養試験過去問500」を購入し、4月の頭あたりから解くようにしていた(そのため対策は1ヶ月ないくらい)。教養試験は時間に余裕があまりないので、ある程度時間を意識して問題を解くようにしていた。 私は世界史の問題や、時事の問題はほぼ捨てていた。世界史に関しては私は高校時代に習っていなかったし、時事に関しては新聞やNewsPicksなどで情報収集はしていたが、過去問を見てもほぼ分からなかった。結果論だが、結局私の場合は本番ではほぼ知らないことが出たし、問題範囲も幅広くて不確実性が高い分野なのであまり過度に対策するのもどうかと思う。であれば、長文読解のスピードを早める、知識に依存しない問題を解けるようにする、専門試験の対策等に時間をかける、などの方が確実性があって得策だと思う。 確か本番では60%〜70%くらいの点数だったと思う。 国家総合職教養試験過去問500(資格試験研究会)

②専門試験(マークシート)

工学区分を受験する人は、専門試験は2種類の問題がある。最初の20問は共通の必須問題となっている(以下では【工学共通試験】としている)。残りの20問は選択して回答する(以下では【工学区分選択試験】としている)。 専門試験(マークシート)は平均すると1問5分程度でとけば良いので、時間的には教養試験よりは余裕がある。

【工学共通試験】

問題としては物理・数学の基礎的な問題である。私は過去問を一通り解いて、苦手そうな問題については以下の参考書から同類の問題を選んで練習した。 工学に関する基礎(数学・物理)の頻出問題 (上・中級公務員試験技術系よくでるシリーズ)

【工学区分選択試験】

こちらは20問選択で解く。分野を4〜6個選択し、その中で20問を選択する。私の場合には、専門がComputer Science系だったため、これに近い分野を選ぶと以下の3つがある。
  • 情報基礎
  • 情報工学(ハードウェア)
  • 情報工学(ソフトウェア)
上記3分野は全て回答して15問、残り5問は適当に解けそうな問題を探して解く作戦で行った。上記3分野はほぼ満点だったが、残り5問は1問か2問しか取れなかった。試験終了後に、制御工学の伝達関数とか解けたのにミスった・・と思った記憶がある。試験前に予めある程度解く分野を決めておいた方が良い。 勉強法としては、基本的には過去問を解きながら、分からないところは有名な本「コンピュータの構成と設計」を見て勉強するという感じ。この本で概ねカバーできる。例えばCPUの設計や仮想メモリ、仮想ページなど、本の名の通りコンピュータの構成と設計について幅広く記載してある。大体7年から10年分くらい解けば出題範囲の問題の解き方は身につくと思う。この本で勉強すればコンピュータに関して詳細な知識を学ぶことが可能なため、研究にも役に立った。 コンピュータの構成と設計 第5版 上(日経BP社) コンピュータの構成と設計 第5版 下(日経BP社)
なお、過去問については人事院から平成11年〜前年度くらいまでをCD-ROMで取り寄せてプリントして解いていた。

③専門試験(記述)

1番配点が高いので最も対策した方が良い試験であるが、私は専門試験の対策はほぼ無しで挑んだ。専門試験(記述)の過去問はほぼ解かず、過去問研究もほとんどせず、そのまま突っ込んで行った感じ。選択したのは当然ながら以下の二つの分野。
  • 情報工学(ハードウェア)
  • 情報工学(ソフトウェア)
本番の試験を解いた感じでは、ほとんど解けてなかった。今思えば、先述したが記述試験が1番配点高いのにもかかわらず、2〜3割程度しか解けてなくてよく合格したなと思う。 私が認識していたのは、用語や方式の説明問題があるということ。そのため、専門試験(マークシート)の対策時にも用語や方式を説明をできるようにしていた。対策は本当にそれくらい。 当然のことをいうようで申し訳ないが、対策するのであれば過去問研究するしかない。が、確か答えはなかった気がするので時間がかかる(そのため私もほとんど対策をしなかった)。それくらいしか私には言えない。

④政策課題討議

政策課題討議については、私の年が導入初年度だったと思うので、特に対策等はしなかった。 お題は大雑把に言うと、これから日本はどこの地域に投資をした方がいいか(AとBの2択から選べ)、という内容であった。予め文章を読んで、簡単にA4一枚程度のプレゼン資料に手書きでまとめる。文章は日本語と英語で記載があったが、私は参考にする程度で、ほとんど自分で考えた意見を書いたと思う。5人くらいでディスカッションしたが、私だけAを選んでいたのでびっくりしたのを覚えている。みんなから攻撃を受けるが、逆に言うと注目されるので美味しかったのかなとも思う。 課題討議に関しては私は評価されたのかよく分からないので、こうやると評価が高くなるといったことは言える立場にない。しかし、プレゼン資料はわかりやすく作った方がいいというのは言える。細かい文字をガーッと書いている人が半分くらいいたが、メモを見せるのではなくあくまでプレゼンなので、細かい文字は使わずに自分の伝えたいことが一目でわかるように資料を作成するのがいいと思う。 議題は公共的な政策に寄っているが、基本的には一般企業のグループディスカッションと同じ。考えていることを、ある程度の理屈を持って話せれば問題ないのではないかと思う。

⑤人物試験

人物試験は要は面接である。私の場合は、確か5対1の面接であった(面接官が5人)。広い部屋の前方に面接官の方が並んでいて、3〜4m離れたその前の椅子にポツンと私が座るという様子。聞かれた内容は、いたって普通で、履歴書に書いた内容を聞かれた。全く圧迫的な雰囲気はなく15分〜20分程度で終わったと思う。普通の企業の面接と同じと思えばいい。 ※あくまで私の時は、という限定付きであるが。

終わりに

あまり参考にならないかもしれないが、私の対策はご覧の通り。特別な対策はせず、基本的には過去問を解きながらいい参考書を見て学習するという極めて普通のスタイルで行った。私は専門試験(記述)の対策をしなかった立場で言うのもなんだが、専門試験(記述)の対策はキチッとした方がいいと思う。 (※もし何かお聞きしたいことがあればTwitterアカウントへ)

以上。