藤井聡太四段から七段へ昇段?竜王戦決勝トーナメント

藤井聡太四段が竜王戦決勝トーナメント1回戦で増田四段に勝利し、デビューから破竹の29連勝となり最多連勝記録単独一位となった。驚嘆の一言と羽生さんもおっしゃっていたが、まさにその一言に尽きる。社会現象となり、普段将棋に慣れ親しんでいない一般の方も注目している現象であろう。

ちなみ次回の藤井四段の竜王戦の戦いは2017年7月2日の日曜日。 佐々木勇気五段との戦いとなる。若手の実力者である佐々木五段に以下に立ち向かうか、要注目だ。

以前こちらの記事で19連勝時に竜王戦決勝トーナメントのポイントを記載したが、竜王戦決勝トーナメント表の最新版が公表され、実際に戦いが始まったということで、本記事において改めて最新版の情報と共に記載したいと思う。

竜王戦とは?

まずは、竜王について極簡単に記載しておく。 竜王は将棋8大タイトルの一つ(最近「叡王」が新たに入り8大タイトルとなった)。前身は十段戦であったが、1988年より十段戦が解消され、竜王戦が設立された(十段戦の前身は九段戦)(※2)。賞金が高いことで有名で、タイトルを取ると約4200万、敗れたとしても約1500万がもらえる(※1)。ちなみに名人戦での勝者は約2000万らしい。

現在の竜王位保持者は渡辺明九段。渡辺竜王は通算10期以上も竜王位を持ち、現在唯一の永世竜王の称号の保持者である。

渡辺明 現竜王(画像出典:日本将棋連盟webページ) 竜王戦ではまずは予選が行われ、そこでの成績優秀者が決勝トーナメントに進む。そして、決勝トーナメントで優勝した者が竜王への挑戦権を獲得する。

(※1)参考文献1:竜王戦中継 (※2)参考文献2:日本将棋連盟webサイト

※ちなみに、竜王はタイトル戦の中で1番格が高いということがwikipediaなどのwebサイトには書かれているが、日本将棋連盟など公式なページには記載がないみたいだったので本記事には記載しなかった。

予選の「6組」とは?

では、藤井四段が優勝した竜王戦予選「6組」の意味とはなんなのだろうか。予選は以下のように1組から6組までクラスが分かれている。

竜王戦の各組の階層(羽生三冠、藤井四段の画像出典:日本将棋連盟サイト、棋士データベースより)

ヒエラルキーの中では1組がトップ階層であり、6組は一番下の階層である。プロになるとまず6組に入るため、現在藤井四段は6組。恐らく来年は5組に上がると思われる。

ちなみに1組には羽生さんや、佐藤天彦名人などTopクラスの棋士がいる。各組での成績優秀者は次の年には上位の組へ昇格する。

決勝トーナメント

予選が終わると決勝トーナメントが始まる。予選の各組内でのトーナメント優勝者(正確には1組は上位5名、2組は上位2名)が決勝トーナメントに進む。そして先述した通り、決勝トーナメントで優勝した人が竜王に挑戦し、7番勝負を行う。

今期の決勝トーナメントは下図となっている。藤井四段は本トーナメント戦において「5勝し、タイトル決定戦で2勝する」とタイトル挑戦が決まる。とりあえずはここが注目ポイントになるだろう。

なお、下図の青で記載されている数字は賞金になっている。ここでも賞金の高さが光る棋戦であることがわかる。

画像抜粋: 日本将棋連盟webページより

竜王戦での昇段

竜王戦で藤井四段が仮に挑戦者になる、もしくはタイトル挑戦者になると、四段からいきなり七段、八段になることが可能だ。

棋士は四段でプロになり、そこから昇段規定にのっとって段位が上がっていく(九段が最高位)。 竜王戦は特別にスピード昇段が可能となっており、竜王に挑戦すると七段に昇段し、竜王を獲得すると八段に昇段、2期竜王を獲得すると九段に上がる。 そのため、プロに入りたての藤井聡太氏は現在は四段であるが、仮にこのまま竜王戦に挑戦するということになると七段への「飛び段」となる。ちなみに、今の渡辺明竜王はまさしくこのスピード出世を体現した人物である。※渡辺竜王が誕生するあたりで上記のように竜王戦での昇段規定が変わったようだ。

なお、竜王以上に有名なタイトルとして名人があるが、藤井四段はすぐに名人になることはできない。名人になるためには最上位のクラス(A級)にまず上がり、そこで成績1位を取らないと名人への挑戦はできない。プロになるとまずはC級2組から始まるため、そこからまずはA級まで上がらなくてはならないのだ。

※昇段規定参考:日本将棋連盟webサイト

最後に

破竹の29連勝になり社会現象となった藤井四段の快進撃。いつまでこの連勝が続くのか、今や日本全国が注目している。ただ、本人もおっしゃっていたが連勝というのはいつかは止まる。そうなった時にメディアからの注目も今ほどはなくなり、藤井四段も比較的気を落ち着けて将棋を指せるようになるのだろう。そこから第2章が始まる。むしろ私はそちらの方に関心がある。

以上。お読みいただき、ありがとうございました。

(関連:ニコニコ超会議での羽生さん、加藤一二三さんと、つるの剛士さんの鼎談についての記事はこちら