「情報」は原理的に100%正しいかを検証できない?あなたの人生を深める「情報」のジョーシキ。

ルネ・デカルト
出典:(https://ja.wikipedia.org/wiki/ルネ・デカルト)

17世紀の思想家であるルネ・デカルトの言葉「我、思うゆえに我あり」はあまりにも有名です。つまり、考えている私というのは間違いなく存在している、それ以外の物事については確実ではない、という点からデカルトは思想を構築していったわけです。

デカルトが本当に正しいものは何かということを追究したように、特に現代の「情報」の正確性について改めて考えてみると、常識的ですがキチッと再認識しておかねばことが思い当たったので本記事にて書き留めます。大人にとっては当たり前かもしれませんが、個人的にはかなり重要な話題だと思っています。

ネットの普及もあり多種多様な情報が発信されている現代、どの情報を信じればいいのか困難な時代になっています。”post-truth(ポストトゥルース)”の時代とも言われており、客観的な事実よりも、感情的な訴えが勝ってしまうなんとも不条理に思える世の中です。そういった中で、多くの人が以下のような疑問を感じているだろうと思います。

正しい情報というのはなんなのだろうか?どうやって確認すれば本当に正しいと言えるのだろうか?

こうした情報に関する疑問は、常識的に見えますが本質をついた大事な話だと思います。

こうした疑問を踏まえ、最終的に私が本記事で述べたいことは以下のことです。

情報は100%正しいか、間違っているかを原理的に検証できない。つまり、完全に正しい情報、及び完全に間違っている情報というのは存在しない。そのため、一定の確率の中でしか正しさを判断できない。 その中で我々ができるのは、正しいであろう確率を少しでも高める努力をすることである。

この考えは、今のところそれなりに確度がある情報だと思っており、少なくとも日々情報に接する上で頭の片隅に置いておかねばならぬことだと思っています。

(余談)上記を是とすると、「〜だ!」などの「断定」の役割をもつ助動詞があったと思いますが、こういった助動詞も本来なら「(今の所)〜だ!」とか、「〜だ(と思う)」、という不確実性をそもそも含んだ前提で使われているものと言えます。会社などでこんなことをいっても「アホか」で終わってしまうと思いますが笑。

それでは、情報の本質についての考えを書いていこうと思います。

「正しい」を考える

何か情報があった時に「この情報は正しい」と判断するにはどうすれば良いのでしょうか?

あの巷で有名な天才が言ってたから。これは正しいという理由になるのでしょうか?

新聞や教科書に書いてあったから。これは正しいという理由になるのでしょうか?

複数の人に確認してその情報は正しいと言われたから。これは正しいという理由になるのでしょうか?

その情報に詳しい大学教授に確認して正しいと言われたら「その情報は正しい」と判断していいのでしょうか?逆に間違いと言っていたら間違いになるのでしょうか?

もしくはノーベル賞受賞者である教授が正しいといっていたら正しいのでしょうか?逆に間違いと言っていたら間違いになるのでしょうか?

AIが正しいと言っていたら正しいのでしょうか?逆に間違いと言っていたら間違いになるのでしょうか?

これらの疑問にはどう答えれば良いのでしょうか。

「正しい」「間違い」は原理的に検証不可能

これらの質問にはスッパリYESと答えることはできないと思います。つまり、完全に正しい、正しくないとは言えないということです。ノーベル賞受賞者が言っていたとしても1000年も経てば反例が見つかる可能性もあります。新聞記事について言えば、様々な情報ソースから確認したとはいえ、人間の認知・認識の観点から言っても間違っている可能性は否定できません。人数をさらに増やしたところで同様に誤っている可能性は100%否定することはできません。

そして、全ての情報に間違いがある可能性を100%否定できないということは、情報というのは真に正しいか正しくないかは検証ができない、つまり原理的に検証不可能というのが私の考えです。

簡単な例で検証してみる。

簡単な例をあげましょう。 何かのEventが発生し、その一部始終を全て見ていたAさんが、その情報を(仮に)100%正しくBさんに伝えたとします。ではBさんはAさんが100%正しく伝えたかどうかをどのように判断するのでしょうか? 恐らくBさんができるのは検証作業のみです。例えば一部始終をビデオに録画していた場合にはそれを見る、そのEventを見ていた他の人に話を聞く、タイムマシンに乗ってその時に戻って実際に見る。 では、ビデオに写っていたから100%正しいと言えるでしょうか?他の人が同じことを言っていたから100%正しいと言えるのでしょうか?タイムマシンに乗って事象の発生時に戻って自分の目で確かめたら100%正しいと言えるのでしょうか?私は全て否だと思います。 全て正しいというには、考えうる全ての可能性を否定する必要がありますが、恐らく簡単に考えうる反例についても完全に否定することはできません。 例えば、ビデオは改ざんされている可能性がある、ということでさえ100%否定することは難しいでしょう。しょうもなさそうな反例ですと、もしかすると人間の技術をはるかに凌駕する技術を持った宇宙人がビデオの中身をごっそり入れ替えた、というものでもいいです。タイムマシン説に関しては、それが本当に正しい時代に戻っているのかは100%正しいと言えないと思いますし、仮に正しい時代に戻っていたとしても、見ているものが本当に正しいのかは検証できません(宇宙人の技術最強論でイチコロだと思います)。これは普通の我々一般人は「そんなバカな」と思うことで、蓋然性は極度に低いと思いますが、可能性としては否定できません。余談ですが、そう考えると、そもそも可能性をカウントするだけで無限に存在するので、こちらの意味でも可能性を否定できないのではないでしょうか。

「正しい」「間違い」は確率論

このように可能性を100%否定することは原理的にできないと思います。逆にいうと、一度世に出た情報が間違っていると証明することも不可能だということになります。これがいわゆる悪魔の証明というやつですね。ただし、100%の証明ができなかったとしても、正しいと思われる事実を積み上げていくことで推論を行い、確率的にある程度の正しさは判断できます。結局は正しい「と思われる」事実を自分で集め、自分で咀嚼し、確率的にこれは正しそうだと判断するしかないと思うのです。 ハイゼンベルグ By Bundesarchiv, Bild 183-R57262 / 不明 / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, Link (余談)量子力学の世界ではハイゼンベルグが確立した不確実性原理という基本原理があります。この原理を簡潔に述べると、位置と運動量は同時には正確に測ることができず、そこにはごく小さな(プランク定数)スケールの一定の不確実さが常に存在してしまう、という原理です。また、同じく量子力学で出てくるシュレディンガー方程式では粒子の存在位置を確率分布で示しています。大雑把にいうと、素粒子のような極小は一定の不確実性が存在し、位置に関しても確率が用いられる世界なのだということで、これまで見てきた話と相関がありそうですすね。もちろん、細かいところでは違いはありますが。

不完全な情報の世を生きる

以上のように、情報が100%正しいかどうかは不明な中、我々は生きていかねばなりません。であれば、少しでも正しい情報を元に自分の人生を生きたいというのが大半の人が思うところでしょう。その確率を少しでも高めるにはどうすれば良いのでしょうか。それが一般的に言われている以下のようなことだと思います。

  1. 正確性の高い、信用できる情報ソースを複数見つけて情報を得ること。
  2. 自分で知識を持ち、そういった情報ソースからの情報でも逐一検証作業を行うこと。
  3. 常に100%正しいことはないと認識し、疑問を持つこと。権威のある人、本でも誤りがある可能性があることを認識すること。

特に重要なことは、どんな情報ソースでも一定の不確実性を孕んでいる可能性があるということを認識した上で日々情報収集に当たるということだということだと思います。教科書だって、先生の話すことだって全てが確度が高いとは限りません。これまで見てきたことを踏まえれば、教科書に記載されている情報にもある程度の不確実性が入っていることが認識できると思います。意図的に誤っている情報を除けば、現時点において、客観的にある程度の正確性があるものを教科書として上梓しているという認識でいた方が賢いと思います。確度が低いものについてはこういう意見があるとか、この調査ではこういう結果が出ているといったことをちゃんと記載してくれれば親切なのに。。)

実際近年、鎌倉幕府の成立年代が変化したり、聖徳太子の存在の有無が疑われていたりするらしいですね。さらに言えば、最近お話を聞いた大学の教授の話では、以前は人間は60兆個細胞があると言われていたらしいですが、2013年の調査では35兆個前後だそうです(※教授が話していた正確な数字は忘れました)。しかし、この情報もそのうちアップデートされるかもしれません。

まとめ

あまりまとまらず申し訳ありませんが、私は本記事を書いていて、少なくとも情報の確度というものを改めて認識した上で日々情報に接して行こうと思いました。ここまで読んでいただけた皆様にも何かいい発見があれば幸甚の至りです。

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