ドン・ドン・ドンではない!ゴリラのドラミング(胸叩き)

実際のゴリラが胸を叩く(ドラミング)時の様子を見たことがあるだろうか? そして、その音を聞いたことがあるだろうか?

ゴリラに対する認知度はかなり高い。それこそ子供でも知っている。にも関わらず、皆深くは知らない。

世の中にはそういったものがありふれているので、特に珍しくはない。ただし、ゴリラは霊長目ヒト科ヒト亜科に属する非常に人間に近い動物である。それを踏まえると、ゴリラに対する知見は人間を知る意味で面白い発見があるのでは??という期待と興味が私にはある。

世間のイメージだけが先行し、実際のものとイメージが乖離しているという現象はよくある。それはゴリラについても同様だ。だからこそ、本物を確認することが必要なのではないか?という認識の下で、今回はドラミングにフォーカスを当ててちょっとした記事を書いてみる。

ドラミングの一般的なイメージ

実際にゴリラが胸を叩いている姿を見たことのある人はあまりいないと思われる。実際、以前ゴリラについてタマタマ(全く非公式な場で)発表する機会があったが、その時に聞いたところ、見たことのある人は皆無であったと記憶している。ゴリラを観察する機会といえば、恐らく子供と動物園に行く時くらいだろう。ただし、そもそも胸を叩く姿を見たところで、しっかりと意識して観察しないと気付かない(重要視していないことは印象に残りずらいし)。

ドラミングの音を聞いたことのない人の多くは、「ドン・ドン・ドン!」というある種の凶暴性を反映したような音をイメージするのではないだろうか。そして、叩いている様子のイメージとしては、手を強く握り、胸を激しく頻繁に叩くところをイメージするのではないだろうか。これは、例えば、テレビでお笑い芸人の方などがゴリラのモノマネをする様子や、「キングコング」などの映画を見ていても感じられる。世間の一般的なゴリラに対する認識はこういったものなのだろう。

※霊長類学の権威、山極寿一教授のゴリラに関する著述を読んでいると、ゴリラの凶暴なイメージは人間が作り出した空想的かつ2次的なものに思える。

実際のドラミングの音

というわけで、実際のドラミングの音を聞いてみよう。イメージとの違いに私は少し驚いた。それこそ先述したような凶暴なイメージを持っていたので。

今の時代、アフリカへ行かずとも、そして、動物園に行かずとも、YouTubeでゴリラの挙動や生態を閲覧することができる。ぜひ以下の動画を閲覧いただきたい。

どうであろうか? 実際の音は、どちらかといえば「パカ・パカ・パカ(ポコ・ポコ・ポコ?)」という音に聞こえないだろうか? そして、胸を叩いている様子は、手は握りこぶしではなく、手のヒラを使って叩いていないだろうか?

ドン・ドン・ドンというイメージからはだいぶ違った印象を持たれる方が多いのでは。

ちなみに、ドラミングという行為も、周囲に威厳を見せるなどの凶暴性の表現というイメージを持つ人が多いだろう。そういった意味合いがあるケースもあるそうだが、ゴリラ同士での遊びの時にも行うそうだ。つまり、ゴリラ特有の感情表現の仕方の一つと捉えた方が真実に近いそうだ。

終わりに

今回はゴリラのドラミングをメインに取り上げた。だが、単なるイメージが先行し、本来の姿とは別のイメージを抱いていることは、特にゴリラに限らず、他の動物、そして周囲の人間に対しても該当するのではないだろうか?だからこそ、先述したように常に真の姿を追い求めて行くことが必要だと私は思う。

本記事を閲覧いただき、何か新たな発見があれば幸いである。また、ゴリラに関して見識を深めようという意識が芽生えていただけたら幸甚の至りである。